ブロガーの皆さん、記事のタイトルはどのように付けられますか?
タイトルは大切だということで、私はいつも悩みます。
そこでブログタイトルの付け方の参考になりそうな、こちらの本を読みました。
著者について
川上 徹也(かわかみ てつや)
作家、コピーライター&コミュニケーションディレクター。
湘南ストーリーブランディング研究所代表。
著書を多く出版されています。
公式サイトはこちら→川上徹也 公式サイト / 湘南ストーリーブランディング研究所
本の概要
本書は、今まで数多く書かれてきた「売るためのコピーライティング」の本を整理分析しなおして、古今の国内外におけるさまざまな事例とからめつつ、新しくわかりやすく手軽に読めるように、オリジナルの言葉や分類で法則化したものです。
(中略)
本書によって、あなたが「売れる1行」「相手を本気にさせる1行」「人を動かす1行」が書けるようになれば、著者としてそれにまさる喜びはありません。
ネット社会になり情報は溢れています。
著者は膨大な情報の中からスルーされないための大原則は、受け手に「自分と関係がある」と思ってもらうことだと述べています。
情報を自分ごとにしてもらうために、
- 5W(何を言うか、What to say)
- 10H(どう言うか、How to say)
を、具体的な事例を紹介しながら解説してあります。
有名な言葉が多く出てきて、分かりやすかったです。
心に響いた3つのポイント
- 自分に「得」があれば人は関心を寄せる
- 人間の欲が一番わかる身近な場所とは?
- なぜこの広告をクリックしてしまうのか?
順にご紹介します。
1.自分に「得」があれば人は関心を寄せる
「何を言えば、相手は自分と関係あると思うようになるか」の1つとして、相手の「得になる情報」を提示することが紹介されています。
「自分に得する情報」があると思うと、受け手は「自分に関係がある」と思いやすくなります。自分にあてはめてみれば当たり前ですよね。自分が得する情報だったら、読んだり聞いたりしてみようかなと思います。
私もそうですが、人間はお得に弱い生き物ではないでしょうか。
実際に商品を買うところまでいかなくても、関心は持つと思います。
得になる情報の1つとして、誰もが欲しがる安・楽・短が紹介されています。
人間はスキされあれば怠けたい楽したいと思っている怠惰な生き物だからです。本音では同じ結果を得られるのであれば、「楽」「安い」「短時間」「早い」「簡単」などの方がいいと思っています。
自分のことを言われているかのような気持ちになりました。
具体的な事例として、ダイエット本のタイトルが挙げられています。
「1日あたりわずか50円」(安)
「毎日3分の簡単なエクササイズをするだけ」(楽)
「わずか1週間で効果を実感できます」(短)
まさに安・楽・短を端的に表していますすね。
言い訳になるかもしれませんが、安・楽・短を求めるのは必ずしも怠けたい気持ちだけでないように感じました。
以下の事例をご覧になり、皆さんはどう思われますか?
- 時間を作りたい → 必要なものを、短時間・早い・簡単に
- 欲しいモノやことにお金を使いたい → それ以外を安く
- 楽しみたい → 苦難を伴わない=楽
2.人間の欲が一番わかる身近な場所とは?
それは書店であると著者は言います。
特に幅広い年代でベストセラーになっている本のタイトルを見ると、人間の欲をテーマにしたものが多い傾向にあるそうです。
2014年度ベストセラー総合ベスト10のうち、小説などのフィクションや宗教系の本を除いた書籍のタイトルは以下の通りです。
- 長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい
- 人生はニャンとかなる! 明日に幸福をまねく68の方法
- 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
- まんがでわかる7つの習慣
- こころのふしぎ なぜ?どうして?
- 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
これらは、健康でいたい、長生きしたい、幸せになりたい、愛されたい、自己達成したいなどの人間が持つ欲がテーマになっているのではないでしょうか。
「女性の欲望」を刺激する例として、『STORY』(光文社)という雑誌の2015年5月号が挙げられています。
まず表紙のキャッチコピーから。
”迷い”の40代に朗報!「1枚でキマる」魔法の服
続いて中身の見出しを見ると以下のような言葉が。
”感じのいい人”に加えて
あわよくば”オシャレな人”の称号も欲しいから
このさじ加減で!「はじめましてランチ」の様子見スタイル
(中略)
まさにワガママな欲望全開な感じがわかっていただけるでしょうか?
現在ワードローブの見直し中の私は、書店で見かけたら間違いなく手に取ります。
「1枚でキマる」服で「感じのいい人」や「オシャレな人」になり、さらに安ければもっといいですよね。
(まさにワガママな欲望全開ですね、笑)
欲望と聞くとマイナスイメージが多いように感じますが、意識し認めることは重要ですね。
3.なぜこの広告をクリックしてしまうのか?
人間誰しも、自分の容姿や体にコンプレックス・悩みを1つくらいは持っているのではないでしょうか。
悩みを持つのはそれによって「まわりの人から嫌われたり愛されないのでは」と恐れるからに他なりません。
言いかえれば、人から嫌われたり愛されなかったことに対する「恐怖」「不安」が悩みの本質なのです。それは集団生活を基本とする人間にとってとても大きな問題です。
商品やサービスがなぜ必要なのかきちんと理解してもらうために、「恐怖」「不安」からアプローチする方法が書かれています。
「恐怖」「不安」で売るためには、受け手に「問題意識」を持ってもらうところから始める必要があります。
たとえば、
- 太っていると健康に悪い
- 日本人の死因の○割がガンである
(中略)
などといった「問題意識」です。
その上で、その「問題」は、この商品を使えば「解決します」「大丈夫」「不安はなくなります」と救済する方法を示します。
普段から悩んでいることが解決するかもと思うと、関心を持ちますよね。
特に悩んだりしていなくても、言われてみるとそうかもしれない…と思ってしまうのではないでしょうか。
事例として、1995年の流行語にもなった「芸能人は歯が命」というキャッチコピーによって大ヒットしたアパガードという歯みがきのエピソードが挙げられていました。
悩みと前述の欲望は関係が深いのではないでしょうか。
欲望があるから悩みがあるとも言えますね。
まとめ
この本を一言で言うと「売れるキャッチコピーを作るためのノウハウ本」といえるのではないでしょうか。
ブログのタイトルを決める時に役立つと思いました。
また、いち主婦としては売り手の思惑を知ることができたと思います。
宣伝文句に惑わされることなく、本当に必要な商品やサービスを購入したいです。
著者もキャッチコピーだけでなく商品やサービスも大切だと述べており、クルマの両輪という表現をしています。
ブログでいうと、タイトルだけでなく中身の記事も大切ということですね。
当たり前ですが、再度意識していきたいと思います。
本書はこちらです。