今回、こちらの本を読みました。
きっかけは keiさんの記事です。記事を拝見した時に「ポジティブ思考が成長を妨げる」という言葉がとても気になり、読みたいと思いました。
運の良い人になるには?:桜井章一さん/藤田晋さんの「運を支配する」を読んで | 本だな | ここちよく流れる
著者について
●桜井 章一(さくらい しょういち)
雀士・経営者・著作家。雀士を引退するまでの20年間無敗で「雀鬼(じゃんき)」の異名を取る。
●藤田 晋(ふじた すすむ)
株式会社サイバーエージェント社長。ブログはこちら→渋谷ではたらく社長のアメブロ
藤田氏は学生時代に桜井氏と出会い、麻雀にどっぷりはまった時に色々なことを教わりました。仕事を始めてから麻雀とビジネスとは類似点が多いことに気づいたそうです。
本の概要
同じテーマに対する桜井・藤田両氏の意見が交互に掲載されています。
雀士と経営者という立場から、運をつかむ方法やまねく作法・ツキを整え持続させる方法・悪い流れを断つ方法が紹介されています。
心に響いた3つのポイント
- ポジティブ思考は成長を妨げる
- 逆境は味方&チャンス
- シンプルが一番強い
順にご紹介します。
ポジティブ思考は成長を妨げる
気分が塞いでいるようなときに「ポジティブな気持ちに切り替えなければ」と思うと、心にはけっこう負荷がかかる。すぎたポジティブ思考は、「暗い私」は本来の自分ではなく、本当の姿は「明るい私」だと思い込んでしまうのだ。そうなると「暗い私」は排除すべき嫌なものになってしまう。
(中略)
絶えず強すぎるポジティブ思考でいるのは、「空は毎日さわやかに晴れ渡っていなければいけない」といっているようなものだ。しかし実際には、晴れの日ばかりが続くわけではない。雨が降る日もあれば、曇りや雪の日もある。
この部分を読んだ時にポジティブ思考は決して悪いのではなく、過ぎたポジティブのためにマイナス部分から目をそらすことが良くないのだと感じました。
心の成長というものは、自分の弱かったりダメだったりする部分をしっかり見つめることでなされる。いい部分、プラスの部分だけを大事にして成長するのではない。気持ちが落ち込んだりしているときは、その気分のままに自分のマイナス面を見つめることだ。それをどれだけできるかが、人としての成長につながるのである。
人間誰でも欠点があり、マイナス面と向き合うのは避けがちです。しかしまず「私ってこういうところもあるんだよね」と認めることが必要ではないでしょうか。認めることで改善策が見え、成長につながるのでしょう。
逆境は味方&チャンス
人間の能力を100%引き出せるのは、残念ながら、夢や希望に燃えているときではありません。むしろその逆で、危機的な状況に追い込まれているときに100%の力が出せるのです。
(中略)
逆風は辛くて苦しいものですが、危機感を持ってそれを乗り越えれば、その過程が厳しいだけに他の人が真似できない、高い次元に到達することができます。
その意味では、うまく利用すれば順風よりも逆風のほうがむしろ遠くへ飛んでいける可能性を持っています。
「火事場の馬鹿力」というイメージでしょうか。
海で素の状態で潜れるのはせいぜい数十メートル。それ以上潜ると、肺が水圧で潰れ死んでしまう。エベレストのような8000メートル級の山の頂に何の装備もなくいきなり放り出されたら、呼吸困難に陥って命を失ってしまう。
「きついな」「厳しいな」と思うときは、そんな自然の厳しさの中に自分が置かれていることを想像してみるのである。私たちが人生で遭遇する厳しさは、自然のそれに比べればどうにかなるもの。そうとらえれば、直面する厳しさに対しては、敵というより自分を強くしてくれる味方なんだという余裕が生まれてくる。
大げさかもしれませんが、エベレストのように命の危険を感じるような厳しい自然に比べれば普段の生活で起こることなど、何とかなるという気持ちになりませんか?
以前読んだ本にも「仕事や人間関係の悩みは後からつけたハナクソみたいなもの」という言葉がありました。似ていますね。
逆境が訪れた時は味方・チャンスと考え心の余裕が生まれると、新たな道が開けそうです。
シンプルが一番強い
なぜシンプルなほうがいいのか。
それはシンプルな手にはムダがなく、早く動けるからだ。
ビギナーズラックをもたらすシンプルさは、「難しく考えない」ことからくる。すなわち、勝負を複雑にせずシンプルにするには、余計なことは考えず、感じたことを大事にすることだ。知識や情報といったものが増えると、どうしても考えが広がって選択肢がたくさん現れる。その分、迷いが生じ、決断に時間がかかることになる。
散らかった部屋や抱えているものが多いと、注意力が散漫になりフットワークが鈍くなりがちです。
モノだけでなく考えも、シンプル・ミニマムがよさそうですね。
考えるより、感じる。これも私が繰り返し道場生にいっていることだ。人は考えるほどに迷いを深くする生き物だが、感覚を研いで感じることを生き方の基本に置けば、的を得る機会は増えていくはずだ。
(中略)
知識や見栄といったさまざまな飾りを取り払って素になることで、ものごとがすごくよく見えるようになるのだ。
考えすぎは迷いにつながるので、第一印象や直感といった感覚を大切にする心掛けが必要なのですね。もちろん知識も生きていく上で必要不可欠なものだと思います。とらわれ過ぎに注意したいです。
また、感じることは体調の良し悪しも大きく影響すると思います。体調が悪いと思考もマイナスに行きがちですよね。日頃の体調管理も、選択や決断の準備のひとつと考えてよいのではないでしょうか。
まとめ
この本を一言で言うと「運をつかむための思考法と習慣を学ぶための本」と言えるのではないでしょうか。
他にも
- 不調こそ我が実力
- 想像力を働かせる
- 見切りのタイミング
など、興味深い内容がありました。
運の総量は無限であり、その運に恵まれるためには正しい選択と努力の積み重ねが必要であると両著者は考え、感じています。
「運が無限」とは素敵ですね。運に恵まれる思考と習慣を、これから心がけていきたいと思います。
本書はこちらです。
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