人と会うのは好きですが、内気で話すことに苦手意識を持っています。
会話力を高めるヒントを得るために、こちらの本を読みました。
著者について
安田 正(やすだ ただし)
- 株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
- 早稲田大学理工学術院非常勤講師
サイトはこちらです→安田正.com
本の概要
「雑談とは意味のないムダ話をすることではなく、 人間関係や仕事の質を根本から変えてくれる魔法のようなメソッド」という話から始まります。
本書では「意味のない雑談」→「超一流の雑談」へのテクニックが数多く紹介されています。具体的・実践的なので分かりやすかったです。
本書の中には三流~一流の人の行いがいくつか紹介されていましたが、私は特にこの言葉が印象的でした。
三流は、雑談で相手を不快にする
二流は、何も生み出さない雑談をする
一流は、雑談で信頼を築く
心に響いた3つのポイント
- ゴールを意識した雑談を
- 必要なのは、笑いではなく実益
- ちょいモリでより魅力的な話に
ゴールを意識した雑談を
著者は話ベタの人の特徴として、話が不必要に長いことを挙げています。
そうですよね。ダラダラと話しがちな私には、耳の痛い部分でした。
ノープランな雑談例です。
A:Bさんは休日何をされているんですか?
B:私は基本的にインドアなので、家でのんびりしていることが多いですね
A:家でのんびりと…いいですね…ええと…家ではどんなことをされるんですか…?
相手から何を引き出したいかノープランのまま質問をしてしまうと、答えに対していいリアクションが取れず、いくら話を続けてもうまく広がりません。
一方、プランや目的を持った雑談はこのようになります。
A:Bさんは休日何をされているんですか?
B:私は基本的にインドアなので、家でのんびりしていることが多いですよ
A:家でのんびりですか、きっとお仕事が忙しいから、家ではゆっくりされたいんでしょうね
B:そうですねぇ、この時期は特に忙しいので、なかなか外でアクティブに動く気にはなれないんですよ
相手の置かれた状況やプライベートを知りたいという目的(=ゴール)を雑談の中に置くと、そのゴールに向かって会話を広がりやすくなります。
会議やミーティングと違い何を話してもよい雑談なので、気負いすぎる必要はありません。しかし、本当に伝えたいことや何のための話かを意識すると、ポイントを押さえたムダのない会話になり、話も盛り上がりそうですね。
必要なのは、笑いではなく実益
無理に笑い話をせずとも、相手が「それ気になるなぁ、教えてほしいなぁ」と思う話をすれば雑談は盛り上がります。
「笑い話」もたしかにその場は盛り上がるのですが、それではあとでふり返ったときに「ああ、あのおもしろかった人…」という程度の印象しか残りません。
それよりも、「へぇそうなんだ!」と相手が思わず食いついてしまうような、記憶に残るような話をしたほうが「○○を教えてくれた人」と強く印象が残ります。
せっかく会って話したのに、「おもしろいことを言っていた人…(でもどんな内容かは忘れた)」という印象では悲しすぎますよね。
おもしろいには2種類あり、必要なのは「Funny(笑える)」ではなく「Interesting(興味深い)」な話題で、最も興味を持ってもらえるのは相手に実益のある話とのこと。人間、特に大人は損得を考えがちなので仕方がありませんね。
本書では、持っておきたい雑談のネタや使える知識、どこから情報を集めたらよいかについて紹介されています。
雑談のヒントは日常生活のどこにでもあるとのことです。ちょっと意識を変えて自分の知識として持っておき、会話の中で使っていきたいですね。
ブログのネタと似ているのではないでしょうか(笑)
ちょいモリでより魅力的な話に
あった出来事を一から十まで正確に伝えようとすると、話がダラッと長くなりがちです。そこで著者はちょっと話を盛る「ちょいモリ」をおすすめしています。
・昨日行ったカフェに美人店員がいた
→昨日行ったカフェに、思わず二度見するくらいの美人店員がいた・海でサーフィンしている少年を見た
→まるで映画のワンシーンのように波を乗りこなしている少年サーファーがいた
いかがでしょうか。ちょっとおもしろそうに感じませんか?
嘘をつくのではなく本当にあったことをベースに少し表現を大げさにして、事実をより魅力的に見せるテクニックです。
こちらもブログの文章を書く時に役立ちそうですね。
まとめ
この本を一言で言うと「雑談に対する意識を見直し、雑談力を身につける本」と言えるのではないでしょうか。
コミュニケーションの1つである雑談に対して苦手意識がなくなると、仕事やプライベートでも楽しみが増えそうですね。
これまで紹介したほかにも、つい話したくなるフレーズ・振り返りの重要性・聞く時に気をつけることなど、参考になるポイントがたくさんありました。
雑談力を身につけもっと多くの人と会って話し、会ってよかった・また会いたいと思ってもらえるような人間関係を築いていきたいと思います。
雑談というのは、あらゆる人間関係の入口です。自分という人間を認めてもらい、その後の関係をより深く、強いものにするためのきっかけであり、人間関係の方向性を決定する重要なステージになります。
本書はこちらです。
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